人から「ビールと発泡酒の違いって何だっけ?」と聞かれたんですが、パッと答えることができませんでした。
「酒税法で決められたビールの税率が高くて、その分ビールの値段が高くなってしまうので、消費者に安くビールを提供するため、酒税法上ビールにあたらないビールのようなお酒として、発泡酒が商品化されたんですよ」っていう由来的なことは話せたんですが、具体的にどう違うのかはうろ覚えで「えっと・・・」って感じになってしまったので、復習をかねてあらためてビールと発泡酒の違いについてまとめてみます。
ビールとは、
- 原料(水・ホップを除く)における麦芽の使用率が3分の2以上
- ビールで使用可能な原料を発酵させたもの
- アルコール分が20%未満のもの
になります。ビールで使用可能な原料には「麦芽・ホップ・水・麦・米・とうもろこし・こうりゃん・ばれいしょ・でんぷん・糖類・カラメル」があります。
原料としてはいろいろとありますが、基本的には「水とホップと麦芽」で作られるのがビールですね。
ちなみに、ビールと生ビールの違いは、「微生物によって変敗(劣化すること)するのを防ぐため、熱処理をしているかいないか」の違いで、熱処理をしていなければ、缶ビールであれ瓶ビールであれお店でのみジョッキのビールであれ、すべてが生ビールってことになります。
そもそも生ビールの「生」って何? | エキサイトニュース
http://www.excite.co.jp/News/bit/00091149415173.html
日本人はビールが大好きで、ビールが飲めている間は何の問題もありませんでした。ただ、消費者が愛する商品には、お国がどんどん税金をかけていきます。このあたり、タバコと一緒ですね。
ビールの大瓶で換算すると、
ビール大びん1 本( 6 3 3 m l )の税負担は、酒税( 個別消費税)1 4 0 . 5 2円( 4 3 . 7 8 % )と消費税( 一般消費税)1 6 . 0 5 円( 5 . 0 % )で( 二重課税)、代表的な小売価格3 3 7 円の4 6 . 5 % に当たる1 5 6 . 5 7 円となっています。
実に、お店で買っているビールの値段のうち、半分近く(4 6 . 5 %)が税金ということらしいです。税金が必要なのはわかりますが、それでも税金がなければ、普段飲んでいるビールが半分の値段で買えるというのは、なかなかにショッキングです。
せっかくおいしいビールを作っても、価格の半分を税金が占めるくらい高い値段でしか提供できないんだったら、「酒税法上はビールじゃないけど、ビールと同じくらいおいしいお酒をつくろう」ってことで新たに生まれたのが発泡酒です。
発泡酒とは、
- 原料の一部に麦芽または麦を使用
- 酒類(アルコール分20%未満)
- 発泡性
が特徴です。原料に「麦芽または麦」が使用されていれば、ビールのように麦芽の量に特に定義はないそうです。つまり、麦芽の使用量を3分の2以下に抑えた上でビールと同じくらいおいしいお酒ができれば、麦芽を3分の2も使っていないからビールじゃないので税率を抑えることで安くできて、つまり、価格を安く抑えて消費者に提供できるって事です。
当然、発泡酒はたちまち人気になりました。「ビールと同じじゃないけど、ほとんどビール」っていうお酒が、ビールよりずっと安い値段で飲めるんですから。
そんな感じで、発泡酒の大人気状態がしばらく続きましたが、長くは続きませんでした。発泡酒人気に目をつけたお国が「発泡酒の税率あげてやれー」と、今度は発泡酒に税金をかけようとしてきたからです。
少しでも安く、おいしいお酒を消費者に提供しようと、ビールに変わる商品「発泡酒」を開発し、狙い通りの人気を獲得したビールメーカー各社に対し、「最近、発泡酒が人気だから発泡酒の税率あげちゃおっかおうかなー」と、がんばって努力で解決した人からさらに搾取しようする、なんともひどい話です。
発泡酒に対するひどい仕打ちにくじけず、ビールメーカーが開発したのが新ジャンル(第三のビール)です。「新ジャンル? 第三ビール?」と呼び方が異なりますが、中身は同じ。マスコミは、ビールや発泡酒に続く三番目のビールとして「第三のビール」という呼び方をしましたが、そろそろビールとは異なるジャンルのお酒になってきていたので、ビールメーカーは「ビールと混同されないよう」に、名前を新ジャンルと呼ぶようになりました。
新ジャンルには細かくもう2つの種類があって、ひとつは、
その他の醸造酒(発泡性)①
- 穀類・糖類・その他の物品を原料として発酵させた酒類
- アルコール分20%未満
- エキス分2度以上
- 発泡性
- 特別税率が適用されている
- 清酒等他の一部品目に該当するものは除く
です。麦芽を使用するとビールもしくは発泡酒という扱いになってしまうので、麦芽は使用しません。
もうひとつは、リキュール(発泡性)①で、
- 酒類と糖類その他の物品(酒類を含む)を原料とした酒類
- エキス分2度以上
- 発泡性
- 特別税率が適用されている
- 清酒等他の一部品目に該当するものは除く
です。
この辺りの区分はちょっとややこしくってわかりにくいんですが、麦芽を使わずにビールに近いお酒を目指したのがその他の醸造酒(発泡性)①です。リキュール(発泡性)①は、発泡酒をスピリットなど、蒸留酒とわることでつくってるお酒ってイメージなんですが、ちょっと違うんですかね? まだまだ勉強が必要そうです。。。
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